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【わかりやすく】スリランカが破産した理由は?今後はアルゼンチンと同様になる可能性あり

2022年7月5日にスリランカのウィクラマシンハ首相が国の破産を宣言しました。

日本では2007年に夕張市が財政再建団体となりましたが、国が破産ってスリランカはどうなるんだ!?という疑問をお持ちの方、その疑問にお答えします。

そもそもスリランカとは?

スリランカとは正式名称を「スリランカ民主社会主義共和国」と言います。

南アジアのインド亜大陸にある共和制国家で、スリランカが占める島をセイロン島と言います。

1948年にイギリスから「セイロン」という名称で独立し、1972年には「スリランカ共和国」に改称、1978年から現在の「スリランカ民主社会主義共和国」となりました。

公用語はシンハラ語、タミル語です。2つの言葉が主流なのは、スリランカ人の74%を占めるシンハラ人と15%を占めるタミル人がいるからだそうですが、単一民族国家である日本からすると不思議ですよね。

スリランカの経済の中心は観光産業、電気通信、金融です。

日本とスリランカを数字で比較

数字で比較した方がわかりやすいものを比較しました。

スリランカ日本
面積65,610k㎡377,973.89k㎡
人口2141万3000人1億2,614万6099人
GDP83,996百万ドル(68位)5,079,916百万ドル(3位)
GDP 一人当たり3,851.666ドル40,791ドル

国土は北海道より小さく、九州より大きいくらいです。

日本は開発国、スリランカは開発途上国に位置付けられるので、人口もGDPも日本の方が大きいですね。

ちなみにGDPとは下記のことを表してるので、国内の儲けがどれだけ生み出されたかということになります。

GDPとは、「Gross Domestic Product」の略で、「国内総生産」のことを指します。

1年間など、一定期間内に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値のことです。

極めてシンプルに例えるならば、付加価値とは儲けのことですので、GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたか、国の経済状況の良し悪しを端的に知ることができます。

引用元:MUFG

スリランカが破産したのは外貨不足が原因

スリランカが破産した理由は複合的に見ればたくさんありますが、一つ挙げるとすると「外貨不足」が挙げられます。

外貨不足とは?

スリランカの経済の中心として、観光業があります。

スリランカを訪れる観光客は、ロシアとウクライナの国の人が多かったので、紛争や新型コロナウイルスの影響で観光業が打撃を受けた上に、ロシアがウクライナに侵攻した後は観光業がうまくいかず、スリランカは外貨を獲得することができませんでした。

外貨獲得は発展途上国には必要!

別にスリランカの人がスリランカで生活する上で、外貨が必要では無いと思いませんか?

それは大きな間違いです。

例えば、北朝鮮では外貨獲得に躍起になっているニュースを見たことも多いと思います。

北朝鮮は自分の国の通貨に価値がありません。

北朝鮮のお金とドルのどっちかあげると言われたら、ドルを間違いなく選びませんか?

例えば、とある日本人が日本で商売をしていて、日本の高級海産物を北朝鮮に輸出したとすると、北朝鮮の人は対価として北朝鮮の通貨で支払われたとします。

とある日本人の方、かなり困ると思いませんか?

日本では北朝鮮の通貨は換金できません。

※ここではわかりやすく北朝鮮を例に出しましたが、犯罪収益移転防止法に引っかかるので、一般の方が気軽に北朝鮮と貿易は行えません。

つまり、石ころ同然の価値なので、北朝鮮のお金をたくさん貰ったとしても「日本円で払ってくれ!もしくはドルでもいいよ」と言いたくなってしまうと思います。

同じことが国家間で行われているということです。

外貨不足すると輸入が困難になってインフレが起こる

外貨不足になると、輸入が困難になってインフレが起こる例をエネルギーで説明します。

スリランカでは比較的開発途上国の中でもエネルギー自給率が高いですが、石油は輸入しています。

引用元:一般財団法人日本エネルギー経済研究所

先ほど北朝鮮の例でお示ししたように、自国の通貨に信用力がない国は外貨での支払いを求められます。

外貨での支払いを求められているのに、外貨がなければ支払えません。

エネルギーは生活に必需品ですが、外貨がない以上購入することができませんし、自国で生産することもできません。

そうなると、輸入できずにガソリンは希少価値の高いものとなり、値段がすごく上がってインフレ状態になります。

実際に現在のスリランカでは、外貨不足から停電や物価の高騰や食料、ガソリン不足が続いています。

スリランカは5月、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)の業者を介してシベリア(Siberia)産原油約9万トンを購入したのを最後に、輸入に必要なドルが尽きていた。

引用元:時事通信

補足:経済構造が脆弱

スリランカは多額の債務を抱えていると言う点で、経済構造が脆弱であると言うことも破産を進行させた一つではあります。

スリランカでの自国の通貨価値がなかったため、スリランカは対外債務という形で他の国から借金をして経済発展を目指していました。

対外債務は増え続け、2011年から2022年末時点で3倍以上に増加していました。

結局、スリランカは融資の返済に行き詰まってしまって、2017年にはスリランカのハンバントタ港の運営権を99年にわたって中国の企業に渡すなど綱渡り状態が続いていました。

もし経済構造が盤石であったならば、危機的な状況でも持ち堪える余地があったと思います。

スリランカが破産したらどうなる?

スリランカの首相は「破産」という表現を使いましたが、おそらくそれは「財政破綻」と言う意味で使っていると考えられます。

「財政破綻」と「デフォルト」の違い

「財政破綻」というのは、国のお金のやりくりが行き詰まるということを指し、「デフォルト」は期日までに借りたお金を返せないことになります。

デフォルトは支払うべきお金を期日に払えないこと(国債の元利金の支払いが滞ること)。 

財政破綻は、国のお金のやりくりが行き詰まること(歳入に比べ赤字が大きくなりすぎること)。 

引用元:Yahoo!知恵袋

財政破綻をすれば、国債の支払いもできなくなるのでほぼデフォルトすると言っても過言ではないです。

2001年にアルゼンチンが財政破綻

スリランカは世界で初めて財政破綻=破産した国ではありません。

2001年にアルゼンチンが財政破綻した時は以下のようなことが起こりました。

  1. ハイパーインフレ
  2. 預金封鎖
  3. 治安の悪化
  4. 企業や人口の流出

1:ハイパーインフレ

アルゼンチンの国の通貨の信用度が下がってしまったため、小麦の値段が1ヶ月で6割も値段が上がったことになりました。

昨日までパンが一個100円だったのに、6ヶ月後には1個160円になったみたいな話が現実に起こることになります。

2:預金封鎖

2001年12月には預金封鎖が実施されて、週に上限250ドルしか引き出せないことになりました。

困ったのは年金暮らしの高齢者が、生活に必要なお金を引き出せませんでした。

しかし、アルゼンチンは外国の大口取引は規制をかけなかったため、自国通貨を2ヶ月ほどで150億ドル失う結果となりました。

3:治安の悪化

物価が上昇しすぎたため、普通の生活もままならない人たちが増えてきました。

そのため、デモや暴動、犯罪などが繰り返されて治安が悪化を招きました。

4:企業や人口の流出

国が不安定になり、アルゼンチンを支える優良な企業や人材がこぞって海外へ移住する結果を招きました。

医者や弁護士などの知識を持つ人たちが海外へ移住してしまったため、アルゼンチン国内には貧困層が取り残される結果となりました。

どうやって回復するのか?

アルゼンチンが財政破綻から復活したのは、最終的にIMFから融資を受けられることになったからです。

IMFとは国際通貨基金のことで、「国際通貨協力の強化」「貿易の拡大・経済成長の促進」「羽位を損なう政策の抑制」の3つの業務を行なっています。

主にIMFは国際収支上のニーズに対する融資による支援を提供しています。

ある国に対してIMFが融資を行う際には通常、事前にその国の政府とIMFが経済政策プログラムについて合意する必要があります。政策コンディショナリティと呼ばれる、政府による一定の政策措置を遂行する約束は、ほとんどの場合IMF融資の不可欠な要素となっています(表を参照)。取極の基盤となる政策プログラムは大半の場合、「レター・オブ・インテント(趣意書)」の形でIMFの理事会に提出され、「覚書」に詳細が記されます。

引用元:国際通貨基金

今回もアルゼンチンのようにスリランカもIMFからの援助を受ける見通しですが、審査には時間がかかり、年末までこの混乱が続くと予想されています。